【UE5】難しく感じるのはあなたのせいじゃない|要素が多すぎるエンジン構造の話

Unreal Engine 5を触っていて、

何から学べばいいのかわからない
画面に機能が多すぎて迷う
チュートリアル通りにやったのに、自分のプロジェクトでは動かない
どこが原因で詰まっているのかわからない

と感じたことはないでしょうか。

これは、理解力やセンスの問題ではないと思っています。

UE5は、ゲーム制作に必要な機能が大量に詰まった、とても強力なエンジンです。

ただ、そのぶん初学者にとっては、

何を、どの順番で学べばいいのか

が非常に見えにくい構造になっています。

この記事では、UE5がなぜ難しく感じるのか、どこから学ぶと迷いにくいのか、そしてゲーム制作につなげるにはどう考えればいいのかを整理していきます。


目次

UE5はなぜ難しく感じるのか

UE5が難しく感じる理由のひとつは、画面上では多くの機能が同列に並んで見えることです。

エディタを開くと、

  • Blueprint
  • Animation
  • Material
  • Niagara
  • Lumen
  • Nanite
  • AI
  • UI
  • Sound
  • Physics
  • Collision

など、さまざまな機能に触れることができます。

一見すると、これらの機能がフラットに並んでいるように見えます。

しかし実際には、ゲームエンジンの内部はもっと階層的です。

Engineがあり、Worldがあり、Actorがあり、その上にInput、Physics、Rendering、Material、Collisionなどの仕組みが乗っています。

つまり、

目に見える機能の並び方と、理解に必要な構造がズレている

のです。

これが、UE5をややこしく感じさせる大きな理由だと思っています。


UE5はゲーム制作機能のフルコース

UE5は、ゲーム制作に必要な機能を大量に持っています。

ロジック、入力、物理、アニメーション、マテリアル、AI、サウンド、UI、描画、プレビュー実行など、ゲーム制作に必要なかなり多くの機能を、ひとつの開発環境として提供しています。

これはエンジンとしては非常に強力です。

ただし、初心者から見ると、

何が重要で、何が後回しでいいのか

がわかりにくくなります。

UE5は便利な反面、最初から全部を理解しようとすると、ほぼ確実に迷子になります。

だからこそ、最初に必要なのは「全部理解すること」ではありません。

必要なのは、

学ぶ順番を決めること

です。


学習の破滅ルート4選

ここからは、UE5学習で避けたいルートを4つ整理します。

自分自身もかなり踏んできた道なので、かなり実感があります。


1. 機能から入る

1つ目は、機能から入ることです。

たとえば、

  • Niagara
  • Lumen
  • Nanite
  • 高度なアニメーション
  • 複雑なAI

のような、目を引く機能から触りたくなることがあります。

もちろん、これらはとても魅力的な機能です。

NaniteはUE5の仮想化ジオメトリシステムで、ピクセルスケールのディテールや大量のオブジェクトを扱うための技術です。 NiagaraもUE5でリアルタイムVFXを作成・プレビューするための主要なVFXシステムです。

ただ、ゲームの基盤ができていない状態でこうした上位機能に触ると、動かない理由が増えます。

ゲームの基本的な入力、動き、当たり判定、表示がまだ固まっていない状態で拡張機能を積むと、後で基盤を直すときに作り直しが発生しやすくなります。

最初は、派手な機能よりも、ゲームが最低限動くための仕組みを優先した方が安全です。


2. テンプレに依存する

2つ目は、テンプレに依存することです。

UE5にはテンプレート、サンプル、アセット付属のデモなどがたくさんあります。

最初の理解の入り口として使うのは、とても効率が良いです。

ただし、理解しないまま使い続けると、壊れた瞬間に何もできなくなります。

たとえば、サンプルでは動いていた入力処理を自分のプロジェクトに持ってきたとき、なぜか動かないことがあります。

そのときに、

  • どこで入力を受けているのか
  • どのActorが処理しているのか
  • PlayerControllerやPawnとどうつながっているのか
  • Input設定がどこにあるのか

がわからないと、原因を追えません。

テンプレートは使っていいです。

ただし、

とりあえず動いた

で終わらせるのではなく、

なぜ動いているのか

まで分解しておくのが大事です。


3. 上位レイヤーから触る

3つ目は、上位レイヤーから触ることです。

AI、Animation、UIのような機能は、ゲーム制作でとても重要です。

ただし、これらは基礎の上に乗る機能です。

ゲームの基本的な動き、入力、物理、カメラ、描画が成立していない状態で上位レイヤーを触ると、

何が原因で動かないのか

がわかりにくくなります。

たとえば、AIが動かないときも、原因はAIそのものではなく、

  • NavMeshがない
  • Pawnが正しく設定されていない
  • 移動先が取得できていない
  • Collision設定で止まっている
  • 入力や状態管理が崩れている

ということがあります。

つまり、難しいのではなく、前提が足りないことがあります。

上位レイヤーに進む前に、まずゲームの基礎部分を押さえることが大事です。


4. 全部理解しようとする

4つ目は、全部理解しようとすることです。

これはかなり危険です。

UE5はゲーム開発のフルコースです。

全部理解してから作り始めようとすると、作る前に疲れます。

正直、全部を暗記する必要はありません。

むしろ、

こういう機能があった気がする
必要になったら調べられる
どこを見ればよさそうか目印がある

くらいで十分なことも多いです。

最初から全部理解しようとするより、今作っているゲームに必要な範囲から学ぶ方が、ずっと現実的です。


何から学ぶべきか

では、UE5では何から学ぶべきなのでしょうか。

自分は、

遊びを成立させる要素から学ぶ

のが良いと思っています。

ゲームにおける遊びをかなり単純化すると、

入力に対する反応を見ること、感じること

だと考えています。

たとえば、プレイヤーが攻撃ボタンを押したとします。

そのとき、ゲーム内では次のような処理が連動します。

  1. 入力を受け付ける
  2. 弾や攻撃の動きを計算する
  3. 攻撃した様子をアニメーションで表現する
  4. カメラで画面に映す範囲を決める
  5. 画面に表示する

つまり、最低限の遊びを成立させるには、

  • Input
  • Physics
  • Animation
  • Camera
  • Rendering

のような要素が必要になります。

このように考えると、何から学ぶべきかがかなり絞れます。


UE5学習の優先度

UE5の機能はすべて大事です。

ただし、最初から同じ重みで学ぶ必要はありません。

優先度をつけるなら、遊びの成立に直結するものほど先に学ぶべきです。

スライドでは、学習優先度をS〜Dに分け、SにInputとPhysics、AにCameraとRendering、BにAI、Animation、CにUIとAudio、DにNetwork、Optimizeなどを置いています。

これは、

遊べるゲームを作るために必要なもの
売れるゲームに仕上げるために必要なもの

を分けて考えるためです。

見た目や演出はとても大事です。

ただ、見た目がチープでも面白いゲームはあります。

それは、ゲームの核となる遊びが成立しているからです。

逆に、見た目がきれいでも、入力に対する反応が気持ちよくなければ、ゲームとしては弱くなります。

だから最初は、

遊びの核を作る要素

から学ぶのが効率的です。


ぼっち式ゲーム制作フロー

ここからは、僕が3Dロボットアクションゲームを作るうえで意識している制作フローです。

大きく分けると、次の3工程です。

  1. コア実装
  2. 作り込み
  3. 仕上げ

コア実装

最初の工程は、コア実装です。

ここでは、このゲームの面白いところ、楽しいところを決めたうえで、その体験の核となる部分を作ります。

3Dロボットアクションであれば、

  • プレイフィール
  • 最低限のレベル
  • 最低限のモデル
  • 最低限のアニメーション
  • 最低限のAI

のような要素を使って、ゲームの核を確認します。

ここで大事なのは、

核となる部分以外に触りすぎないこと

です。

コアが固まっていない状態で、演出やUIや細かい作り込みに手を出すと、後でコアを変えたときに作り直しになります。

たとえば、後から一発逆転の必殺技を追加した結果、ゲームバランスや面白さの核が崩れたとします。

その結果、やっぱり削除することになれば、それまでに作った演出や調整のコストが無駄になります。

だから、コア実装では、ゲームの核だけに絞ることが大事です。


作り込み

次の工程は、作り込みです。

コア実装でゲーム体験の核が見えているなら、どこを作り込むべきか判断しやすくなります。

この工程では、

  • ライティング
  • シナリオ
  • ムービー
  • サウンド
  • エフェクト
  • UI
  • オンライン機能

などを必要に応じて足していきます。

インディーゲーム開発では、リソースが限られています。

だからこそ、

どこに注力して、どこを捨てるか

が重要になります。

全部を作り込もうとすると、時間もお金も足りなくなります。

逆に、コアが明確であれば、作り込むべき場所を絞れます。


仕上げ

最後は仕上げです。

仕上げで見るべきポイントは、大きく2つです。

  1. ゲームの面白さの核が壊れていないか
  2. ゲームの面白さの核が底上げされているか

バグ修正はどの工程でも発生します。

ただ、仕上げ工程で特に重要なのは、当初決めたゲームの核が守られているかどうかです。

演出を足したことでテンポが悪くなっていないか。
UIを増やしたことで判断が重くなっていないか。
エフェクトを盛ったことで見づらくなっていないか。
追加要素によって、元の面白さが壊れていないか。

こういった点を確認しながら、全体を調整していきます。

チーム開発では、ここがかなり難しくなります。

人によって、ゲームの核に対する理解や解釈がズレるからです。

だからこそ、最初にコアを明確にしておくことが大事です。


まとめ:迷ったのは能力ではなく、順番を知らなかっただけ

UE5の学習でつまずくのは、能力やセンスの問題ではありません。

UE5は、そもそも機能が多く、学ぶ順番が見えにくい構造になっています。

だからこそ、

  • 機能から入らない
  • テンプレに依存しすぎない
  • 上位レイヤーから触らない
  • 全部理解しようとしない

ことが大事です。

そして、最初に学ぶべきなのは、遊びを成立させる要素です。

入力して、反応して、見える。

この最低限の遊びを作る部分から積み上げていけば、UE5の学習はかなり進めやすくなります。

UE5が難しく感じるのは、あなたのせいではありません。

迷ったのは、能力が足りなかったからではなく、順番を知らなかっただけです。

YouTubeでの解説

動画では、UE5がなぜ難しく感じるのか、どこから学ぶと迷いにくいのかをスライド付きで解説しています。

文章で全体像を整理したい方はこの記事を、流れで理解したい方は動画もあわせて見てみてください。

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