【UE6】Blueprintはまだ使っていい?乗り換えるべき人・使い続けていい人
UE6やVerseの話題が増える中で、
「Blueprintは今後どうなるのか?」
「UE5で作っている今のプロジェクトはどうすればいいのか?」
「Verseを覚えないと置いていかれるのか?」
「非プログラマー開発者はUE開発に参加しづらくなるのか?」
と不安に感じている人もいると思います。
今回は、前回公開したUE5.8→UE6考察動画の補足として、個人開発者目線で Blueprintとの現実的な付き合い方 を整理します。
結論から言うと、今作っているゲームがあるなら、基本は完成優先でいい と思っています。
Blueprintを今すぐ捨てる必要はありません。
ただし、長期的には、Blueprintに全部を閉じ込める作り方は少しずつ見直した方がいいです。
UE6でBlueprintが突然消えるわけではない

まず前提として、UE6になった瞬間にBlueprintが突然消える、という話ではありません。
UE6初期では、ActorsやBlueprintsはサポートされる想定です。
ただし、Epicの方向性としては、VerseやScene Graphを中心とした新しい仕組みに寄せていくように見えます。
つまり、
明日からBlueprint禁止
という話ではありません。
しかし、
今後もずっと、すべてをBlueprint前提で作っていれば安全
とも言い切れません。
今すぐ慌てる必要はありません。
でも、長期的にUEを使い続けるなら、Blueprintに全部を閉じ込める作り方は少しずつ見直した方がいい。
このくらいの距離感が現実的だと思っています。
今作っているゲームは完成優先でいい

個人開発者として一番大事なのは、今作っているゲームを完成させることです。
UE6、Verse、Blueprint非推奨化。
こういった話を聞くと、今のプロジェクトも作り直したくなるかもしれません。
ただ、個人開発で一番怖いのは、未来の技術に乗り遅れることではありません。
一番怖いのは、ゲームが完成しないこと です。
技術検証や設計変更だけ増えて、遊べるものが出ない。
これが一番まずいです。
なので、今UE5で作っていて、Blueprintで完成まで持っていけそうなら、まずはそのまま作り切る。
今作を壊してまで、未来に合わせる必要はないと思っています。
まだBlueprintを使い続けていい人

では、どんな人はまだBlueprintを使い続けていいのでしょうか。
僕は、次のような人は、今すぐ無理に乗り換える必要はないと思っています。
| まだBlueprintでいい人 | 理由 |
|---|---|
| 今UE5で制作中の人 | 今作を完成させる方が優先 |
| Blueprintで完成まで行けそうな人 | 移行コストを払う必要が薄い |
| 趣味・小規模制作の人 | 運用負荷が比較的小さい |
| UI・演出・簡単なイベント制御が中心の人 | Blueprintの強みが出やすい |
| 今すぐVerseを学ぶ余裕がない人 | 学習コストが重くなりやすい |
| 移行理由より移行リスクが大きい人 | 乗り換えで完成が遠のく可能性がある |
特に、今作っている本命プロジェクトを止めてまで、UE6やVerse前提で作り直す判断は慎重でいいと思います。
UE6やVerseを触るなら、検証用プロジェクトで小さく試すくらいで十分です。
本命プロジェクトはまず完成させる。
個人開発では、この判断がかなり大事です。
Blueprintの使い方を見直した方がいい人

一方で、Blueprintの使い方を見直した方がいい人もいます。
たとえば、次のような人です。
| 見直した方がいい人 | 理由 |
|---|---|
| 次作をUE6前提で作る人 | VerseやScene Graphを意識する必要が出やすい |
| チーム開発している人 | 差分確認やレビューが重要になる |
| Blueprintが巨大化している人 | 追いづらく、壊れやすくなる |
| 共通処理がコピペだらけの人 | 修正漏れや保守負荷が増える |
| 状態管理やゲームルールが密結合している人 | 変更時の影響範囲が読みにくい |
| AIにロジックを読ませたい人 | テキスト化・構造化されたロジックの方が扱いやすい |
こういう場合、Blueprintそのものが悪いというより、全部をBlueprintに閉じ込めていること が問題になりやすいです。
Blueprintは便利です。
UI、演出、ゲームルール、状態管理、戦闘計算、セーブ処理。
何でも入れられます。
最初はそれで速いです。
ただ、大きくなると、
- どこで何をしているのか分からない
- 変更したときに何が壊れるか分からない
- レビューしにくい
- AIにも読ませにくい
という問題が出てきます。
だから大事なのは、Blueprintを使うかどうかより、何をBlueprintに置いて、何を外に出すのか を決めることです。
Blueprintを捨てるのではなく、役割分担する

今回の中心はここです。
BlueprintからVerseへ全部乗り換える、というより、まずは役割分担で考えた方がいいと思っています。
Blueprintに向いているものは、今後もあると思います。
たとえば、次のようなものです。
Blueprintに残してよさそうなもの
- UI
- 演出
- アニメーション通知
- レベル固有のイベント
- 簡単なギミック
- プロトタイプ
こういうものは、見た目で分かりやすく、エディタ上で調整しやすいので、Blueprintの強みが出やすいです。
一方で、次のようなものは、Blueprintに全部閉じ込めない方がいい場面も増えてくると思います。
Blueprintから外に出した方がよさそうなもの
- 複雑なゲームルール
- 状態管理
- 戦闘計算
- AI判断
- セーブデータ構造
- 共通処理
- 長期保守したいロジック
C++に出すのか。
Verseに出すのか。
データ駆動にするのか。
Componentに分けるのか。
手段はプロジェクトによります。
ただ重要なのは、
- このBlueprintは何を担当しているのか
- この処理は外に出せるのか
- この処理は言葉で説明できるのか
を意識することです。
Blueprintを捨てるのではなく、残すものと外に出すものを分ける。
この考え方が今後かなり大事になると思っています。
Blueprint経験は無駄にならない

非プログラマー開発者の人にとっては、
「BlueprintからVerseに移るなら、今までの経験は無駄になるのか?」
という不安もあると思います。
結論として、Blueprintで身につけた考え方は無駄になりません。
たとえば、
- 処理の流れ
- 条件分岐
- 状態管理
- イベント駆動
- 変数
- 入力と結果
- デバッグ
こういった考え方は、実装手段が変わっても使えます。
Verseに行っても、C++に行っても、UnityやGodotに行っても活きます。
無駄になりやすいのは、Blueprint経験そのものではありません。
無駄になりやすいのは、
何のための処理か説明できない巨大なBlueprint
です。
逆に、自分のBlueprintを言葉で説明できるなら、それは技術資産です。
だから今やるべきことは、Verseを急いで覚えることより、まずBlueprintを整理することだと思っています。
Verseは期待もあるが、全振りは慎重でいい

Verseについても少し触れておきます。
Verseの不安は、新しい言語だからというだけではなく、学んだ時間がどれくらい汎用的な技術資産になるのか、まだ見えにくいことだと思っています。
C#やC++、Pythonは、他のエンジンやツール開発にも応用しやすいです。
一方で、Verseは現時点ではEpic、UEFN、UE6の文脈にかなり寄っています。
そのため、Verseは汎用技術というより、Epic経済圏への投資 に近いと思っています。
もちろん、将来的にUE6やUEFNと強く結びついて普及すれば、UE開発者にとって重要なスキルになる可能性はあります。
ただ、今作を止めてまで全振りするかというと、それは別問題です。
僕の距離感としては、
- 今作はUE5で作り切る
- UE6やVerseは、次作や検証用プロジェクトで試す
- Blueprintは今すぐ捨てず、将来外に出しやすいように整理しておく
このくらいが現実的だと思っています。
GodotやUnityへ移る選択肢もある

Youtuberのコメントでは、Godotに移るという話もありました。
これも選択肢としては普通にありだと思います。
UEの絵作り、3D表現、エディタ統合、既存資産。
こういった強みをあまり使っていないなら、UnityやGodotを検討してもいいと思います。
ただし、Blueprintの完全な代替を期待して移ると、少しズレる可能性があります。
Blueprintの強みは、単にノードで書けることではなく、Unreal Editorと深くつながっていることです。
なので、UEの強みを使っているなら、今すぐ離れる理由は薄いと思っています。
逆に、UEの強みを使っていないなら、他エンジンを検討してもいい。
ただし、どのエンジンに行っても、ゲームルールや状態管理を整理する力は必要です。
そこはエンジンを変えても消えない問題だと思っています。
今からできる備え方
では、今から何をすればいいのでしょうか。
僕は、Verseを急いで覚えるより、まずBlueprintを整理することだと思っています。
具体的には、次のようなことです。
- Blueprintを巨大化させない
- 関数、Macro、Componentに分ける
- DataTableやDataAssetに設定値を逃がす
- 同じ処理をコピペしない
- このBlueprintは何を担当するのかを決める
- 処理を言葉で説明できるようにする
これだけでもかなり違います。
将来Verseに移るとしても、C++に出すとしても、整理されたBlueprintは移しやすいです。
逆に、巨大で説明できないBlueprintは、どの未来でも苦しくなります。
今やるべきことは、Verseを完璧に覚えることより、今のBlueprintを説明できる状態にすること だと思っています。
まとめ
今回の結論は、今作は完成優先でいい ということです。
Blueprintを今すぐ捨てる必要はありません。
ただし、Blueprintに全部を閉じ込める作り方は、少しずつ見直した方がいいです。
残すものと、外に出すものを分ける。
Blueprint経験は無駄になりません。
無駄になりやすいのは、何のための処理か説明できない巨大なBlueprintです。
UE6やVerseは、今作を壊してまで追いかけるのではなく、次作や検証用プロジェクトで試すくらいの距離感でいいと思います。
技術は大事です。
でも、最終的に売るべきものは技術ではなく、ゲーム体験です。
まず作り切る。
そのうえで、次の技術に備える。
関連動画・記事
今回の記事は、以下の動画の補足として作成しています。
【UE6】Blueprintはまだ使っていい?乗り換えるべき人・使い続けていい人
今回の内容は動画でも話しています。
動画では、スライドを使いながら、UE5.8からUE6への流れ、Blueprintの将来、MCP、Verse、Lore、OSS化、個人開発者としての判断について解説しています。
動画版もあわせて見てもらえると嬉しいです。
【UE5.8→UE6】Blueprintはどうなる?AI時代のUE開発をMCP・Verse・Loreから考える
UE5.8からUE6に向けて、Unreal Engineの開発がどう変わっていくのかを考察した動画・記事です。
MCP、Verse、Blueprintの将来的な扱い、Lore、OSS化、UEFN統合、AI開発支援など、UE6に向けた大きな流れを整理しています。
今回の記事では、その中でも特にコメントが多かった **Blueprint非推奨化やVerse移行への不安** に絞って、個人開発者目線の判断基準を整理しました。

このブログについて
このブログでは、UEを使ったゲーム開発を通して、
- 詰まらないための考え方
- 遠回りしない設計
- 個人開発で完成させるための判断基準
- 初心者が実際に作れるようになるための理解
- AI時代のゲーム開発への向き合い方
を発信しています。
初心者から、実際に作れる状態までを橋渡しする内容を目指しています。
Xでも開発や動画投稿について発信しています。
コメント